家路の途中でココイチに寄ったのですが、店に入るやいなや、議論に白熱する2人の客の声が聞こえてきました。
どうやら、HDレコーダーについて議論しているようです。
録画した番組を自由に扱えない点がお気に召さないらしい。
録画したものは1世代だけBD等のメディアにコピーできるが、それをハードディスクに書き戻したり、BD等の「子」のメディアから「孫」にコピーしたり出来ないという点や、録画物を自由に編集できない点、さらには、ハードディスクやメディアが劣化するものだということを、規格を策定する側が全くわかっていないという点など、議論の幅は多岐にわたっていました。
これだから、あれほど宣伝しているにもかかわらずHDレコーダーがさっぱり売れないんだ、とも。
いやはや。全く持って同感ですね。
まだVHS等のアナログなヴィデオ・テープが主流だった頃は、映像や音声は確実に劣化するとはいえ、ダビングや編集が割と自由に出来ました。これは単に番組を視聴するのみならず、教育などへの二次利用も出来たという点で、重宝した人も多かろうと思われます。
しかし、音声や映像がデジタル化され、ダビングを重ねても画質や音質がほとんど劣化しない[註1] となると、著作権の問題が深刻化してきます。
すでに1990年代には、DATやMDなどで数世代にも渡るダビングが出来なくなっていたわけですが、その後、悪名高き規格外CDが出てきます。「コピーコントロールCD」や「レーベルゲートCD」のたぐい。
著作権の意義自体は我々消費者も認めるところですが、それが一人歩きしてしまい、エンドユーザの権利が不当に侵害されてしまった訳なのですね。「CDプレイヤーによっては聴けない場合がありますし下手すると壊れます」「Machintoshパソコンでは聴けません」「Windowsパソコンで聴くには専用のソフトが必要で、音質は劣化します」では、まともな頭脳を持つ人間ならばまず間違いなく「ハァ!?」と言いたくなったことでしょう。
それを考慮してか、アーティストの中にはこれらの規格外CDをあえて採用しなかった人もいるようです。
皆様ご承知の通り、規格外CDが流行ってしまったおかげで、ただでさえ冷え込んでいた音楽業界はますます冷めてしまいました。最終的に、規格外CDを積極的に売り込んでいた側はその戦略を改めた[註2] 訳です。
今フルHDで沸いている(ような気がする)映像の世界ですが、冒頭で述べたような録画物使用の制限といい、国や業界が現場や消費者の意向を全く無視して一方的にアナログ放送打ち切りを打ち立てたことといい、音楽の世界で起きた先述の出来事と全く同じ轍を踏む可能性が濃厚ですね。
昨今、いわゆる動画サイトには著作権を侵害したコンテンツがアップされて問題となっているわけですが、これは何もデジタルだからどうこうという話ではない。まだ民生用のデジタル映像記録媒体が存在していなかった頃の作品だってあるようですし。
それに、「画質は二の次でとりあえず見ることが出来ればいい」という向きには、デジタル機器に「だけ」著作権保護の名目で制約を加えても無駄な話だったりします。
そうでなくても、プロテクトなんてハッキングされたら終わりですし。
著作権問題に本腰で取り組むのであれば、アナログにもデジタルにも通用する別の手段でおこなう必要があるのではと思います。
それに、たいていの消費者は、自分が本当に見たい映像や聴きたい音楽は、正当な対価を支払って入手すると思います。少なくとも自分はそうです。CDやDVDはただ音声や映像が入っているだけのものではない。パッケージや解説なども含めて一つの「作品」なのです。[註3]。
その点、圧縮音声しか提供されないiTunes Store等のダウンロード・コンテンツはある意味ぼったくりといえなくもないのですが・・・。
映像業界が音楽業界の二の舞とならないために、著作権とコンテンツ利用制限の線引きについては、再考を切に願いたいところですね。
最低でも、ハードディスクとメディア(BD等)の間の双方向での無劣化コピーはサポートしてほしいところです。
・・・と言いつつも、私は引っ越したら即地デジとBDレコーダーを導入するんだろうな(ぼそ)。










4個のコメント
思えば、DATのころは1世代だけでもデジタルの複製ができただけマシということか。
とは言うものの、アナログでコピーしたところで人間の耳にはまったく劣化が
わからない程度。CDからMDに圧縮すると、ものによっては明らかにざらついて聞こえおる。
すでに外国製の機械で映像DVDのデジタルコピーガードを破れるものがあり
日本にも流れ込んできて、その筋が問題視しているという話は聞いた。
まったく同感。今の地上波テレビぐらいの鮮明さ(専門用語では「放送強度」というらしい)
でも、普通の人間は十分満足できる。
暴力団の縄張り争いよろしく、金を持っているほうが好き放題に
消費者に害をなすのに対抗すべく、知恵を絞って権利を行使したい。
悪貨は良貨を駆逐する、の例えもある。そのへんで業界側が折れてくれることを
期待する気持ちは多少ある。
#わしは、コピーガードの入ったテープ(ソースはハイビジョン放送)を実験的にアナログに変換し、地上波の放送強度とさして変わらぬDVDの作成に成功したことがある。
あくまで個人使用目的のバックアップ。
これを個人使用目的以外に供しようとすれば、元の映像の質を変質させたという
咎まで加わってくるのだが。
(たとえば、定食屋でやっているようにTV放送を店内に流すのはOK。
ところがこれが4:3画面の放送なのに16:9画面のテレビで流すと
元の映像の質を変質させたとして著作権法に問われる可能性がある。
ちなみに、店で不特定多数の人間に視聴させる場合、権利処理のされていない
放送録画やCDなどを流すと違法。)
同じ方法で、やろうと思えば動画サイトの画像でさえやり放題にできる。
といっておいて、後は賢明にも口をつぐみたい。
ちなみに、パソコンは使わない。
拙者としては、このような場合でもコピーが制約されると言うことにすら不服で候。
そういえばそのような話は拙者も耳にしておりまする。
拙者はさすがにこれを手にする腹づもりはござりませぬが、市場に出回っているブツの制約が厳しすぎるというのも事実でござる。そもそも、アナログ用のD端子での映像ダビングすら満足に出来ぬ有様というのはどう考えても理不尽でござる。
律令や御法度に抵触せぬ範囲で庶民に取り得る最も有効な手段と申せば、不買運動でござりましょう。
実際に規格外CDで不買運動があったかどうかは存じませぬが、売れ行きが冷え込んでいたのは間違いなき事実。そもそも、売り手側はCD売り上げ減少の要因を違法な複製物に転嫁しておったが、それが過ちであることは賢明な消費者であれば熟知して候。90年代に入ってから、あからさまに成果物の質が低下しておったことを、おそらく売り手側は永久に理解できぬのであろうか。
このままでは映像の世界でも同じことが起こりえますし、さもなくば売り手側の暴走は続くことになりまする。
おろ!? そのような不当な御法度があるのでござるか!?
しかしこれでは、家電販売店がテレヴィを所狭しと並べている光景も抵触しないのか不安でありまする。
最後の件は・・・訊かないほうが我が身のためでありませう。
うむ、そもそも
この世の中に、完全な複製を作る技術は存在しない。
が、美術品を扱うのとは少々わけが違うところが
大衆文化社会の本質の一つであろう。
最後の件、このブログを離れたところであれば、こっそり指南したい。
正確に言うと、表示自体にPCは使用する。しかしその画面を
デジカメで撮影する、などというものではない。
明日にはハイビジョン放送を入れたDVD-RAMを通常のDVD-Rへ
変換する作業がうまく行っているか検証する。
これにもパソコンは使わない。
・・・と仰せでありまするが、今回の問題の対象はデータの集まりでありまするからねぇ。
著作権保護の観点からして、完全ならしめてはならないと言うことについては拙者とて理解できまするが、制約をかける箇所をはき違えておると申し上げたい。
ちなみにおそらく拙者は御指南賜っても実行することはござりまするまい。PC用のBDドライヴはすでに2台(うち1台はノートPC!)ござりまするが、映像用はなし。
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